野生の誤読

翻訳・drama・読書

2021-01-01から1年間の記事一覧

いご草ちゃんと『最後の決闘裁判』

10月、リドリー・スコット監督『最後の決闘裁判』を観ました。 直接的な性暴力描写があるため、フラッシュバックなど引き起こす可能性があるし、万人に勧められはしないのだけれど、ものすごく考えでのある作品だった。14世紀に実際にあった決闘裁判を下敷き…

マイク・フラナガン監督『The Haunting of Hill House』ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス(2018)

同監督の『Midnight Mass』真夜中のミサが哲学的で良かったので、遡って観た。 全10話。本作はシャーリイ・ジャクスン原作だが現代版に翻案するにあたって物語は大きく改変されている模様。 屋敷を改装しては高く売ることを生業としていた夫妻と、その5人の…

野生の誤読

いきなりブログタイトルを変更した。PV業務中心になり、翻訳をメインに書くことが少なくなる可能性が出てくるため。 先日から書評におけるあらすじ紹介で、事実と異なることが書いてあるとか言った反論や議論が起こっている。 私はそもそも、しっかりとテキ…

PVと『ゴールデンカムイ』

間が空いた。Pharmacovigilanceのお仕事を始める。 在宅ワーク継続です。 7月末にモデルナのワクチン2回目を打った。 余裕~と思って全巻無料公開『ゴールデンカムイ』読んでいたら38.5度まで出て、結構苦しかった。 接種後8時間後くらいに発熱し、42時間後…

unmet medical need:アンメット・メディカル・ニーズ

ダッシュして1本早いバスに間に合ったのはいいがむこうずねが痛い。 昨日坂を延々降りたせいだと思う。最近のチェックで気になったのが unmet medical need。きちんと日本語にしてくださって「未充足の医療ニーズ」と訳されていた。 満たされていない医療上…

rodents:げっ歯類 robust:頑健な

原文空目系(いま付けた呼び名)の誤訳はウフフとなって大好きなのだが、ウフフとなったあとにこれそのまま納品してたらえらいこっちゃとなるものも結構ある。 統計関連のセクションで突然でてきた「げっ歯類の」。 非臨床試験の記述でマウスやラットも登場…

X-rays:X線

X-raysといえばX線のことだが「X腺」というタイポに出合った。 きっと腺がんなどの分野をよく訳されているのだと推察する。 腺とは体内において液体を分泌する器官のこと。腺は国字だそうだが、中国でも用いられるとのこと。知らなかった。 X-rayという単語…

『ことばハンター 国語辞典はこうつくる』飯間浩明

三省堂国語辞典編集委員の飯間さんの子ども向けの書籍。 ことばが本当にお好きなのだな!終始にんまりしてしまう。 まちなかでの「ワードハンティング」のようす、幼少期からのことばへの関心から、国語辞典の編集員になるまでのいきさつ、実際にどのように…

『メンタリスト』 S3-Ep19 Owain Yeomanの英国訛り

突然観なおしている『メンタリスト』。全く覚えていないのでかなり楽しんでいる。 チョウ推しだがリグズビーのぐずぐず具合が嫌いになれない。 彼を演じるのはOwain Yeomanという俳優だが、実は英国ウェールズ出身である。あまりにもアメリカンアクセントが…

ボーリングをする人

海外の友人と連絡を取るとき絵文字の存在はなかなか便利である。 「ウケる!」みたいな時には涙を流して笑っている絵文字、誕生日にはケーキやシャンペンやくす玉やクラッカーの絵文字。emojiを日本語と知らずに使っている人々も多いのではないか。 使いすぎ…

野生の誤訳

翻訳チェッカーをしています。 他人の文章を直してばかりいてまったくまとまった文章が書けなくなっているのでアウトプットの機会を増やそうと始めてみる。 広大無辺な言語の草原には野生の誤訳がたくさんいます。 よろしくお願いします。